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平鹿胃がん予防研究

パイロット研究

日本でこのような研究は前例がほとんどありませんでしたので、対象地区内に居住する中年女性40人を対象として、食事調査を行い、短期間の指導効果における有効性を検討することを目的としてパイロット研究を行いました。

胃がんに関連する食事因子として科学的にほぼ確立している、食塩(減塩)、ビタミンC、カロテン(野菜や果物をたくさんとる)を目標として、詳細な食事調査の結果をもとに、栄養士が個別に食事指導を行いました。
食事から摂取した食塩や、ビタミンCおよびカロテンは、それぞれ尿中の食塩排泄量や血液中のビタミン濃度に反映することが知られています。そこで食事調査の結果だけでなく、このような生体指標も食事指導の効果を評価するための指標として用いました。

食事指導の前後での48時間蓄尿ナトリウム排泄量、血中のカロテン濃度、血中のビタミンC濃度の変化はそれぞれ12%減、55%増、8%増を示して、食事指導によって目的とする栄養素摂取量が変化したことが認められました。
また、食事調査から推定された変化はそれぞれ、21%減、93%増、24%増とやや過大に評価されたものの、食事変化を把握するために有効であることが確認できました。

同時に食事調査から把握されたこれらの栄養素の平均摂取量はより詳細な他の調査法による結果に類似していたことから、摂取量を把握することも可能であることが認められました。

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