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国際共同プロジェクトへの参加

染色体上6q25.1の領域にある遺伝子の乳がんとの関連の一般化可能性評価

中国人女性を対象としたGWASにより乳がんリスクとの関連が発見された染色体上6q25.1の一塩基多型rs2046210について、各種集団を対象として一般化可能性の評価を行った。

私たちの参加している国際共同プロジェクト「アジア乳がん連合」から専門誌に発表された成果です(Cancer Res. 2011年2月15;71(4):1344-55.)。

先行する中国人女性を対象とした全ゲノム関連解析(GWAS)によって、染色体上6q25.1の領域にある一塩基多型(SNP) rs2046210が乳がんリスクに関連することが明らかになりました。今回の研究ではその一般化可能性を評価することを目的に、東アジア人、ヨーロッパ系およびアフリカ系米国人の女性31,000人以上を対象としたプール分析を行いなした。その結果、東アジア人(中国・日本)とヨーロッパ系米国人についてはrs2046210と乳がんリスクとの間の関連が確認されました。中国人女性では、GG型を基準にした場合のオッズ比が、AG型で1.30 (95%信頼区間1.22 – 1.38)、AA型では1.64(95%信頼区間1.50 – 1.80)であり、傾向性の検定のP値は1.54×10-30でした。日本人女性では、オッズ比がそれぞれ1.31 (1.13 – 1.52)と1.37 (1.06 – 1.76)で傾向性の検定のP値は2.51×10-4、ヨーロッパ系米国人女性ではそれぞれ1.07 (0.99 – 1.16) と1.18 (1.04 – 1.34) 、傾向性の検定のP値は0.0069 でした。しかし、アフリカ系米国人女性では乳がんリスクとの間に関連は見られませんでした(オッズ比と95%信頼区間はそれぞれ0.81 (0.63 – 1.06) と0.85 (0.65 – 1.11))。

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