科学的根拠に基づくがんリスク評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究
評価方法
文献収集と系統的レビュー:MEDLINE、医中誌に収録されている文献から、がん全体および部位別のがん[肺、肝、胃、大腸、乳房、食道、膵、前立腺、子宮頸部、子宮体部(内膜)、卵巣、頭頚部、膀胱、血液] について、評価の対象となるような研究方法(コホート研究、または症例対照研究)で実施された論文を拾い出します。それぞれについて、結果をまとめ要因とがんの関連の強さを評価します。
要因とがんの関連の強さ | |
|---|---|
| 強い ↓↓↓または↑↑↑ |
相対危険度が0.5より小さいか、2.0より大きく、統計学的に有意である。 |
| 中くらい ↓↓または↑↑ |
相対危険度が0.5より小さいか、2.0より大きく、統計学的有意差はない。あるいは相対危険度が0.5以上0.67未満か、1.5より大きく2.0以下で、しかも統計学的に有意である。 |
| 弱い ↓または↑ |
相対危険度が0.5以上と0.67未満か、1.5より大きくと2.0以下で、統計学的有意差はない。あるいは相対危険度が0.67以上1.5以下で、しかも統計学的に有意である。 |
| ない | 相対危険度が0.67以上1.5以下で、統計学的な有意差はない。 |
既報論文結果の統合:既に発表されている複数の疫学研究の結果を、必要に応じてメタアナリシスで統合し、まとめの推定値(summary estimate)でリスクを推定します。
コホート研究のプール解析:エビデンスが不足しているテーマについて、日本人を対象とした複数のコホート研究が協力し、同じ条件でデータ解析を行い、その結果を統合してリスクを推定します。
リスクの評価:上記のように収集した文献情報や新たに実施した解析結果を総合的に検討し、下記の評価基準に基づいて、科学的根拠の信頼性を判定します。
評価の基準(旧)
科学的根拠としての信頼性の強さ | |
|---|---|
| 確実である | 疫学研究の結果が一致していて、逆の結果はほとんどない。相当数の研究がある。なぜそうなるのか生物学的な説明が可能である。 |
| ほぼ確実である | 疫学研究の結果がかなり一致してはいるが、その方法に欠点(研究期間が短い、研究数が少ない、対象者数が少ない、追跡が不完全など)があったり、逆の結果も複数あったりするために決定的ではない。 |
| 可能性がある | 研究は症例対照または横断研究に限られる。観察型の研究の数が十分でない。疫学研究以外の、臨床研究や実験結果などからは支持される。確認のために、もっと多くの疫学研究が実施され、その理由が生物学的に説明される必要がある。 |
| 十分ではない | 2、3の不確実な研究があるにとどまる。確認のために、もっと信頼性の高い方法で研究が実施される必要がある。 |
| WHO/FAO Expert Consultation の基準を参考にして作成 | |
評価の基準(新)
科学的根拠としての信頼性の強さ | |
|---|---|
|
確実である |
疫学研究の結果が一致していて、逆の結果はほとんどない。相当数の研究がある。なぜそうなるのか生物学的な説明が可能である。 |
|
ほぼ確実である |
疫学研究の結果がかなり一致してはいるが、確実とは言えない。逆の結果はほとんどないが、様々な集団で相当数の研究があるほどではない。生物学的な説明は可能である。 |
|
可能性がある |
疫学研究結果の方向性は概ね一致しているが、関連性が若干弱く、確実やほぼ確実とまではいえない。研究の数が少ない、もしくは方法に限界点がみられる。逆の結果もいくつか存在する。疫学研究以外の、臨床研究や実験結果などからは支持される。 |
|
結果が不一致である |
疫学研究が複数存在するが、関連の方向や結果がほぼ一致しておらず、決定的ではない。 |
|
関連があるとは考えにくい |
疫学研究が複数存在するが、統計学的有意差を示す結果が少なく、関連があるとは考えにくいことが示唆されている。 |
|
研究が不十分である |
評価するための疫学研究が不足しているか、2,3の不確実な研究があるにとどまる。確認のために、もっと信頼性の高い方法で研究が実施される必要がある |
| World Cancer Research Fund(WCRF)/ Global Cancer Update Programme(CUP) の基準を参考にして作成 | |
評価の変更:より新しいエビデンスが集積された場合には、必要に応じて班会議で評価の見直しを行います。評価の変更に従い、随時ホームページ上の「エビデンスの評価」を改訂し、変更履歴を記載します。

