科学的根拠に基づくがんリスク評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究
アジアにおける女性関連要因およびホルモン因子と胆嚢がんリスクの関連
Asia Cohort Consortiumによるプール解析
胆嚢がん(GBC)は、消化器癌の中で6番目に多い悪性腫瘍であり、特にアジアでは重要な健康問題の一つです。GBCは治療が難しく生存率も低いことが課題とされています。GBCは多くの他の固形がんとは異なり、女性が多く罹患しやすい傾向にあり、女性関連要因が関与している可能性があるとされています。
この関連を検討するために、中国、日本、韓国、シンガポールの12のコホートの331,323人を対象に、初経年齢、分娩回数、初産年齢、授乳、閉経年齢、避妊またはホルモン補充療法の使用など、さまざまな女性関連要因がGBCリスクに与える影響を検討しました。
私たちの研究から、アジア女性における女性関連要因とGBCリスクとの関連について、1940年以降に生まれた女性においては、初経年齢が高いグループにおいてGBCリスクが高いことがわかりました。同様に、1940年以前に生まれた女性では、初産年齢の高さがGBCリスクの上昇と関連していました。しかし、他の女性関連要因については明確な関連は見られませんでした。
これらの結果より、アジア女性におけるGBCリスクを理解する上で、女性関連要因を考慮することが重要といえます。初経年齢や初産年齢とGBCリスクの関連は、女性の生涯にわたるホルモン動態の影響を示唆しているほか、女性関連要因の世代間の変化がアジア女性におけるGBCのリスクに影響を与える可能性も示されました。