Q & A

東京胃がん検診追跡調査

研究の目的は?

胃がんリスク検査は、胃がんのなりやすさを判定する検査として広く実施されるようになりましたが、自治体の実施する対策方検診としては推奨されていません。この調査は、胃がんリスク検査の有効性を検証し、国や自治体の胃がん検診政策に役立てることを目的としています。

誰が、どこで、いつやっているのか?

国立がん研究センターの予防研究グループが東京都医師会、東京都地区医師会、東京都区市町村の協力のもとで実施しています。事務局は国立がん研究センターの予防研究グループ内に設置され、データの保管と解析も行っています。

何の役に立つのか?

胃がんリスク検査が対策型検診として導入するための根拠となる研究を目指しています。 胃がんリスク検査により最も胃がんのリスクが低い集団(A群)の胃がん罹患率がゼロに近ければ、胃内視鏡などの検診を過剰に受けることを防ぐことができます。また医療経済効果も期待できる可能性があります。

参加者は何をすればよいのか?

詳しくは研究方法をご覧ください。

費用はかかるのか?

調査への参加費用はかかりません。胃がん検診が一部自己負担となる場合、また精密検査が必要な場合には通常の検診および検査費用がかかります。

利益・不利益はないのか?

この調査は、参加者の方からいただいた貴重な情報をもとにデータを解析し、胃がんリスク検査の死亡減少効果を科学的に明らかにします。最終的にはわが国の胃がん検診施策に役立つことが期待されます。 データは集団として解析を行うため、研究結果が公表された場合にも個人が特定される恐はありません。また、追加で必要な検査や費用は発生しません。

個人情報はどのように管理するのか?

ご提供いただいた情報は、データセンターが設置されている国立がん研究センターの予防研究グループにおいて管理します。個人情報は全て匿名化され、管理者によって厳重に保管されます。データは外部とはつながっていない記録媒体に保管されるため、外部から操作することはできません。

結果は教えてもらえるのか?

検診や精密検査の結果については、各自治体や医療機関にお問い合わせください。

私は参加できるのか?

この調査に参加している東京都地区医師会と区市町村の対象地域にお住まいで、胃がん検診を受けられる方はどなたでも参加できます。

胃がん検診

胃がんリスク検査(胃がんリスク層別化検査、ABC検査)とは?

血液検査の結果から胃がんのなりやすさを4つに分類する方法です。胃の粘膜が萎縮しているかどうかを調べるペプシノゲン法検査と、ヘリコバクター・ピロリ菌に感染しているかどうかを調べる抗体検査を併用した検査です。また、ピロリ抗体価の基準値により、陰性高値群とよばれる分類もあります。

胃がんの診断はできないため、診断には胃内視鏡検査を受ける必要があります。

ヘリコバクター・ピロリ菌とは?

ヘリコバクター・ピロリ菌は、胃の粘膜にいて胃潰瘍や胃がんを起こす細菌です。感染者の多くは65歳以上の高齢者で、幼少期の免疫力の低い時期に感染すると考えられています。一度感染すると、多くの場合は除菌をしない限り胃の中に棲み続けます。感染しているかどうかは、血液検査か胃内視鏡検査で調べます。

対策型検診とは?

対策型検診とは、集団全体の死亡率を減少することを目的として実施する検診で、公共的な予防対策として行われます。そのため、科学的根拠に基づき有効性の確立された検診が選択されます。2014年国立がん研究センターが発行した胃がん検診の有効性に関するガイドラインにより、2016年度から胃がん検診の内容が改訂され、胃内視鏡検査も対策型胃がん検診として推奨されています。