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国立がん研究センターのがん検診受診者を対象とした研究

がん予防・検診研究センター検診受診者における食物摂取頻度調査票の妥当性研究(FFQ)

FFQとは

FFQとは、Food Frequency Questionnaire(食事摂取頻度調査票)の略語で、研究用の食事データを採取するためのアンケート調査を指します。

FFQは、食事とがんなどの病気の関係を調べる研究(栄養疫学)に欠かせない基本的なツールです。さまざまな吟味を経て、現在の形になりました。

数十項目から成り、その結果をもとに、およその栄養素の摂取量が推定できるように設計されています。

FFQの開発と栄養疫学の発展

がん、心筋梗塞など、発病から多くの進展を経て最終段階までの複雑な経過が長期にわたる病気は、現在、生活習慣病と位置付けられています。

がんについては、発生率の地域差や、同じ地域での年次発生率の推移などから、食事と深く関連することが昔から知られていました。しかし、食事は個人差や変動に満ちた自由な行為ですから、何がどれくらい影響するのかを測定するための科学的な手段がありませんでした。

1980年、米ハーバード大のウィレット博士が中心となって食物摂取頻度調査票(FFQ)を開発し、約30万人の男女を約20年間追跡するという、大規模疫学調査(コホート研究)が行われました。

この研究で、がん・心疾患・糖尿病などの発生と予防に、食事が重要な役割を担っていることが、科学的な方法で証明されました。

FFQの開発と改良により、特にがんと心疾患の発生と予防についての栄養疫学は大きく発展し、さまざまな知識が得られるようになりました。

妥当性研究とは

受診者の皆様からも、FFQで研究用の食事データを提供して頂いております。

それをもとに、魚や野菜・果物などの食品群はもちろん、ビタミンや脂肪酸やミネラルなどの栄養素の摂取量データまでが推定されます。

しかし、FFQというたった一度のアンケート調査で、ある人の平均的な栄養素摂取量を、どの程度正確に把握できるかは別の問題です。

実際には、FFQの結果から各データに換算するときに生じるずれは、対象グループの特徴や、調査の季節によって違いがあることがわかっています。正確な研究結果を導くためには、その微調節には、特に気を使わなくてはなりません。

どれくらい正確に把握できているかという妥当性を確認するには、研究対象集団から性別、年齢別などでサンプリングした人で、 FFQの結果と実際の食事内容を、さらに、血液や尿の栄養素などの濃度を照らし合わせる作業が必要になります。

この確認作業は、栄養疫学の妥当性研究と呼ばれます。本当に有益な予防法を開発したり、役立つ指針を打ち出したりするためには、手を抜けない工程です。

妥当性研究とは、いわば、大勢のデータを扱う疫学研究という巨大なマンションを支え、科学的根拠という耐震強度を確実にするための土台を作る基礎工事にあたります。

研究の背景


・FFQ: 研究で用いられる食事データの基礎

・FFQの精度向上 ⇒ 質の高いがんの予防研究につながる

・現段階では、受診者集団でのFFQの妥当性が明らかにされていない

・・・現FFQの妥当性を検討した集団:地方在住者が多い
・・・受診者集団:都市部在住者が多い

研究の目的

・FFQの受診者集団における妥当性の確認

・・・直接食事記録(材料の書き出し、計量、料理の写真撮影等の記録)から得られるエネルギー、栄養素摂取状況等と比較
・・・血液等から得られるバイオマーカーと比較

研究の方法

① 対象

1.対象

② 除外規定

2.除外規定

③ 調査項目

3.調査項目

no 記事 外部リンク
2 Takachi R, Ishihara J, Iwasaki M, Ishii Y, Tsugane S. Self-reported taste preference can be a proxy for daily sodium intake in middle-aged Japanese adults. J Acad Nutr Diet. 2014; 114(5): 781-787.
1 Takachi R, Ishihara J, Iwasaki M, Hosoi S, Ishii Y, Sasazuki S, Sawada N, Yamaji T, Shimazu T, Inoue M, Tsugane S. Validity of a self-administered food frequency questionnaire for middle-aged urban cancer screenees: comparison with 4-day weighed dietary records. J Epidemiol. 2011; 21(6): 447-458.
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