トップ >国立がん研究センターのがん検診受診者を対象とした研究 >検診受診者における生活習慣と胃粘膜DNAメチル化レベルとの関連に関する研究 >生活習慣と胃粘膜DNAメチル化レベルとの関連に関する研究

国立がん研究センターのがん検診受診者を対象とした研究

生活習慣と胃粘膜DNAメチル化レベルとの関連に関する研究

研究の背景

健康な人と胃がんになった人とでは、今までの生活の中で胃の細胞に生じた、それだけではがん化には結びつかないような「遺伝子のひっかき傷」の蓄積の程度(DNAのメチル化レベル)が異なることが示唆されています。

実際、胃がんの最大のリスク要因であるヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)感染がある人では胃粘膜のDNAメチル化異常があること、動物実験においてピロリ菌がメチル化異常を誘発することが示されています。しかし、健康な人で、ピロリ菌以外の喫煙、野菜果物低摂取、塩分高摂取などの胃がんのリスク要因がDNAメチル化異常と関連しているかどうかは、よくわかっていません。

 

研究の目的

健康な人について、生活習慣と胃粘膜のDNAのメチル化レベルに関係があるのかどうかを調べることです。

 

研究の対象

2009年4月~9月末に、国立がんセンター(当時)がん予防・検診研究センターで上部消化管内視鏡検査を受け、研究参加に同意された300名。

 

研究の方法

上部消化管内視鏡検査で胃粘膜組織を生検しました。さらに、ヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)の検査が陽性だった方は、除菌治療(一週間の内服治療)を受け、6ヶ月後に上部消化管内視鏡検査で生検をしました。採取した生検組織からDNAを抽出し、DNAメチル化の程度を測定します。アンケートからわかる生活習慣や血液検査結果とDNAメチル化レベルとに関係があるかどうかを調べます。

no 記事 外部リンク
1 Shimazu T, Asada K, Charvat H, Kusano C, Otake Y, Kakugawa Y, Watanabe H, Gotoda T, Ushijima T, Tsugane S. Association of gastric cancer risk factors with DNA methylation levels in gastric mucosa of healthy Japanese: a cross-sectional study. Carcinogenesis. 2015; 36(11): 1291-1298.
上に戻る