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多目的コホート研究(JPHC Study)

2008/9/10 イソフラボン摂取と大腸がんリスク

JPHC研究からの論文発表のお知らせ

多目的コホート(JPHC)研究から、イソフラボン摂取と大腸がんリスクとの関連を調べた結果が発表されました。 論文の状況は以下の通りです。
Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention 2008年17巻2128-2135頁

イソフラボン摂取は大腸がんリスクと関連しない

大豆イソフラボンにより、細胞での発がんが抑えられる効果が、実験研究で示されています。  しかしながら、これまでに行われたイソフラボンと大腸がんの関連を調べる疫学研究は、欧米でもアジアでも結果が一致していません。イソフラボンをよくとる人ほど大腸がんのリスクが低いという報告と、そうではないという報告の両方があります。日本でも、リスクが下がるという結果が1つのコホート研究と1つの症例対照研究で報告されているのに対し、関連がみられなかったという結果が1 つのコホート研究と3つの症例対照研究では報告されています。 多目的コホート研究で、45—74歳の男女約8万人を対象に、調査開始から5年後に実施した食物摂取頻度に関する詳しいアンケートから、イソフラボン摂取を算出しました。約8年かけて大腸がんの発生を追跡調査し、そのリスクをイソフラボン摂取で分けた4つのグループの間で比較しました。 追跡期間中に886人の大腸がんが確認されました。 分析の結果、男女とも、イソフラボンの摂取量による大腸がんリスクの差は見られませんでした。大腸がんの発生部位別に直腸がん、結腸がんのリスクを見ても、また大豆製品の摂取量との関連を見ても、いずれも統計学的に有意な関連はありませんでした。 ただし、さらにがんの発生部位を近位結腸部と遠位結腸部で分けた場合に、男性では近位結腸がんリスクが低下する傾向がみられました。

研究結果について

このコホート研究により、イソフラボンの大腸がん予防効果については、男性の近位結腸がんリスクの低下は見られたものの、全般的には大きな影響を与えているとはいえない結果となりました。 これまでの研究結果を考慮すると、大腸がんの予防には、お酒を飲みすぎないようにし、運動不足や肥満を解消し、禁煙し、加工肉や謬・豚。羊などの肉を食べ過ぎないなど、バランスの良い食生活を送りことが大切です。 詳しくは、ホームページに掲載された概要版をご覧ください。
大豆製品・イソフラボン摂取と大腸がんとの関連について —概要—

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