多目的コホート研究(JPHC Study)
2022/4/1 血中CRP(C反応性蛋白)濃度とがん罹患リスクとの関連について-多目的コホート研究(JPHC研究)からの成果-
JPHC研究からの論文発表のお知らせ
多目的コホート(JPHC)研究から、血中CRP(C反応性蛋白)濃度とがん罹患リスクとの関連についての研究の結果が発表されました。
この論文の状況は以下の通りです。
Br J Cancer 2022 Feb 10 ウェブ先行公開
血中CRP(C反応性蛋白)濃度とがん罹患リスクとの関連
今回の研究では、アンケート調査にご回答下さり、健診などの機会に血液をご提供下さった40~69歳の男女約3万4千人の方々を、約15年追跡した結果に基づいて、慢性微小炎症マーカーである、血中CRP濃度とがん罹患リスクとの関連を調べました。
近年、興味深いことに、細菌やウイルスに感染していなくても、肥満や生活習慣などの影響により慢性的かつ微小な炎症(慢性微小炎症)が体内で生じていることが報告されています。感染による炎症は、発がんと関連することが知られていますが、慢性微小炎症が、感染による炎症と同様に発がんに関与するかどうかは明らかではありません。そこで今回の研究では、慢性微小炎症マーカーとしての血中CRP濃度とがんとの関連を調べました。
血中CRP濃度が上昇するにつれて、統計学的有意に、がん全体の罹患リスクは高くなりました。がんの部位別に行った解析では、大腸がん、肺がん、乳がん、胆道がん、腎がん、白血病において、血中CRP濃度が上昇するにつれて、統計学的有意に罹患リスクは高くなりました。
本研究の結果から、慢性微小炎症マーカーである血中CRP濃度が高い人では、がんに罹患するリスクが高いことが分かりました。
詳しくは、研究の概要版をご覧ください(2022年4月1日公開)。