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多目的コホート研究(JPHC Study)

2018/03/08 血中ビタミンD濃度とがん罹患リスクについて-多目的コホート研究(JPHC研究)からの成果-

JPHC研究からの論文発表のお知らせ

 

多目的コホート(JPHC)研究から、血中ビタミンD濃度とがん罹患リスクについての研究の結果が発表されました。

BMJ. 2018

 

血中ビタミンD濃度とがん罹患リスクについて

今回の研究では、平成2年(1990年)と平成5年(1993年)に、ベースライン調査のアンケートにご回答下さり、健診などの機会に血液をご提供下さった40~69歳の男女約3万4千人の方々を、平成21年(2009年)まで追跡した結果に基づいて、血中ビタミンD濃度とがん罹患リスクとの関連を調べました。

ビタミンDは、骨代謝において重要な役割を果たしているだけでなく、細胞増殖を抑えたり、細胞死を促進したりする作用により、がんを予防する効果があるのではないかと考えられています。しかし、大腸がん・肺がん・乳がん・前立腺がん以外のがんや、がん全体を対象としたコホート研究は、まだ十分ではありません。そこで、私たちは、がんに罹患する前の保存血液を用いて、血中ビタミンD濃度の測定を行い、その後のがん罹患リスクとの関連を調べました。

その結果、血中ビタミンD濃度が最も低いグループを基準としたところ、血中ビタミンD濃度が2番目に低いグループから何らかのがんに罹患するリスクが低下し、血中ビタミンD濃度が2番目に高いグループで最も低下していました。また、がんの部位別にみたところ、肝がんの罹患リスクが低下していました。なお、ほぼ全ての部位においてがん罹患リスクが上昇する傾向は見られませんでした。

本研究の結果から、血中ビタミンD濃度が上昇すると、何らかのがんに罹患するリスクが低下することが分かりました。ただし、血中ビタミンD濃度が最も高いグループでは、がん罹患リスクの更なる低下が見られなかったことから、血中ビタミンD濃度が一定のレベルを超えるとそれ以上のがん予防効果は期待できない可能性があります。

 

詳しくは、ホームページに掲載される概要版をご覧ください(2018年3月8日公開)。

血中ビタミンD濃度とがん罹患リスクについて

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