多目的コホート研究(JPHC Study)
食事記録票および食物摂取頻度調査票による食事由来の抗酸化能・炎症能評価の妥当性研究(2016年2月)
食事記録票および食物摂取頻度調査票による食事由来の抗酸化能・炎症能評価の妥当性研究のご案内
食事記録票および食物摂取頻度調査票による食事由来の抗酸化能・炎症能評価の妥当性研究の実施にあたっては、まず研究計画書を国立がん研究センターの倫理審査委員会に提出し、人を対象とした医学の研究における倫理的配慮等について厳密な審査を受けます。 国立がん研究センターにおける研究倫理審査委員会については、公式ホームページをご参照ください。本研究計画は、平成28年2月16日に承認されました(2015-287)。
研究対象: 多目的コホート研究の対象者のうち、食物摂取頻度調査票の妥当性研究の参加者で、すでに、調査票および4季節7日間(合計28日間、一部地域は2季節7日間の14日間)の食事記録票の提供を終えている、565名(コホートⅠ:男性102名、女性113名、コホートⅡ:男性174名、女性176名)が対象です。
研究の概要: 抗酸化能の高い食事をとることは、がん罹患リスクを減少させることが報告されています。一方で、炎症を促進させる食事をとることは、がん罹患リスクを増加させることが報告されています。このように、食事の質とがん罹患との関連は国外において複数報告され始めており、日本においても同様に食事の質とがん罹患との関連が観察されることが予想されます。しかし、食事の質の評価指標である食事由来の抗酸化能(Total Antioxidant Capacity, TAC)および炎症能(Dietary Inflammatory Index, DII)のいずれにおいても、日本人を対象に食事記録票や食物摂取頻度調査票による評価の妥当性が検討されていません。そこで、本研究では、食事記録票や食物摂取頻度調査票によるTACおよびDIIの評価の妥当性を検討し、TAC, DIIの高い人の特性を明らかにします。
研究の意義:食事記録票や食物摂取頻度調査票を用いて評価したTACやDIIと血中の抗酸化指標、酸化ストレス指標、炎症指標との関連が明らかとなれば、TACやDIIをこれら血液指標の間接的な評価指標として用いることができ、がんをはじめとした様々な疾病と食物摂取状況との関連を検討できるようになります。また、TACやDIIの高い人の特性を明らかにすることで、行動変容につなげる根拠を創出できる可能性があります。
目的: 本研究は、食事記録票や食物摂取頻度調査票によるTACおよびDIIの評価の妥当性を検討し、TAC, DIIの高い人の特性を明らかにします。
方法: 保存血液を用いて血中の抗酸化指標(ORAC法によるTAC)・酸化ストレス指標(d-ROMs)・炎症指標(hs-CRP)などを測定し、食事記録票および食物摂取頻度調査票から算出したTACおよびDIIとの相関係数を算出して、妥当性を検討します。さらに、算出したTAC, DII, 血中指標と、食事を含むアンケートから把握した生活習慣などの特性を因子分析により明らかにします。 |
個人情報保護に関する配慮:
解析する情報は、本研究専用に割り振られた研究番号がわりふられており、解析者は個人を特定することはできませんが、ご希望があれば、その方の解析情報は利用しないようにできますので、いつでも次の連絡先まで申し出てください。
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〒104-0045 東京都中央区築地5-1-1
国立がん研究センター 予防研究グループ コホート事務局
研究責任者:澤田典絵(所属:疫学研究部)
TEL 03-3542-2511(内線1784), FAX 03-3547-8580
e-mail:jphcadmin@ml.res.ncc.go.jp