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多目的コホート研究(JPHC Study)

2008/2/2 社会的な支えと循環器疾患発症・死亡

JPHC研究からの論文発表のお知らせ

多目的コホート(JPHC)研究から、社会的な支え (social support: 心身を支え安心させてくれる周囲の家族、友人、同僚などの 存在)と循環器疾患発症・死亡との関連を調べた結果が発表されました。

社会的な支えが少ないグループは、脳卒中の死亡リスクが高い

JPHC研究参加者のうち、研究開始時に40―69歳の男女約4万4000人を対象に、 「心が落ち着き安心できる人の有無」などを尋ねたアンケート調査の結果から、 その人の社会的な支えを点数化しました。点数によってグループ分けし、その後 2003年までの追跡期間中に発生した脳卒中や心筋梗塞の発症・死亡のリスクを比 べました。 その結果、脳卒中の死亡リスクについては、社会的な支えの「とても多い」グ ループに比べると、「少ない」グループで男女計では1.5倍、男性では1.6倍、女 性では1.3倍、高いという結果でした。一方、脳卒中の発症、心筋梗塞の発症ま たは死亡については、社会的な支えとの関連は見られませんでした。

研究結果について

欧米では、社会的な支えが少ないと心筋梗塞の発症や死亡のリスクが高くなる という研究結果があり、孤独によるストレスなどの影響が指摘されています。 しかし、これまでに日本人で社会的な支えと循環器疾患の発症や死亡の関連を 調べた報告はありませんでした。 今回の研究では、社会的な支えが乏しいグループで脳卒中死亡のリスクが高く なり、この関連は特に男性ではっきりと見られました。ただし、発症のリスクは 変わりませんでした。このことから、脳卒中の回復にとって、孤立しないように 支えてくれる身近な人の援助が大切であることが改めて示されました。 詳しくは、ホームページに掲載された概要版をご覧ください。
社会的な支えと循環器疾患の発症・死亡リスクとの関連 -概要-

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