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多目的コホート研究(JPHC Study)

2007/8/22 肥満指数(BMI)、成人以降の体重の変化と虚血性心疾患について

JPHC研究からの論文発表のお知らせ

多目的コホート(JPHC)研究から、肥満指数(BMI)、成人以降の体重の変化と虚血性心疾患に関する研究成果が発表されました。論文の状況と担当研究者は以下の通りです。 ・International Journal of Obesity, WEB先行公開    担当:磯博康・大阪大学大学院 医学系研究科教授

BMI30以上の肥満男性で、虚血性心疾患の発症リスク高い

JPHC研究で、約9万人の「現在の身長と体重」および「20歳の頃の体重」について調べ、その後の心筋梗塞を代表とする虚血性心疾患の発祥との関連を調べました。10年の追跡期間に男性399人、女性119人に虚血性心疾患が確認されました。 男性では、肥満指数(BMI:体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で示される)が30未満までは虚血性心疾患リスクは変わりませんでしたが、BMI30以上のグループでは標準体形グループ(BMIが23以上25未満)の1.8倍高いことがわかりました。 一方、女性では、BMI30以上でもリスクが高いということはありませんでした。逆に、BMI19未満のやせているグループで、虚血性心疾患のうち発症後1時間以内の急性死のリスクが高いようでしたが、統計学的に有意というわけではありません。

20歳の頃にやせていた人が10kg太ると、虚血性心疾患の発症リスク高い

さらに、男性で20歳からの体重変化によるリスクを調べました。もともとやせていた(BMI21.7未満)男性では、調査時点までに体重が10kg以上増加したグループの虚血性心疾患の発症リスクは、プラス・マイナス5kgまでのグループの約2倍でした。 女性では発症数が少なく、同様の検討ができませんでした。

虚血性心疾患予防のための体重コントロール

今回の研究では、BMIが30以上の男性で、欧米人と同様に、虚血性心疾患の発症リスクが高くなりました。ただし日本人のBMI30以上の割合は3%程度であり、虚血性心疾患の発症リスクにおける肥満の関与はいまだ大きくないと考えられます。 しかしながら、日本人の中年期男性の肥満者の割合が増加傾向にあることから、虚血性心疾患を予防のために、特に20歳の時に痩せていた男性では中年期以降の過度の体重増加を予防することが大切になるでしょう。

研究結果について

詳しくは、概要版をご覧ください。
肥満指数(BMI)、体重の変化と虚血性心疾患発症について -概要-

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