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現在までの成果

大豆・イソフラボン摂取と子宮体がんとの関連について

-「多目的コホート研究(JPHC研究)」からの成果報告-

 

私たちは、いろいろな生活習慣と、がん・脳卒中・心筋梗塞などの病気との関係を明らかにし、日本人の生活習慣病予防に役立てるための研究を行っています。平成2年(1990年)と平成5年(1993年)に、岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、茨城県水戸、新潟県長岡、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古、大阪府吹田の10保健所(呼称は2014年現在)管内にお住まいだった方々のうち、平成7年(1995年)と平成10年(1998年)にアンケート調査に回答していただいた45-74歳の女性約4万人を、平成21年(2009年)まで追跡した調査結果にもとづいて、大豆食品およびイソフラボンの摂取量とがん発生との関連を調べました。その結果を専門誌で論文発表しましたので紹介します(BJOG 2014年6月18日WEB先行公開)

欧米諸国に比べ、アジア諸国では子宮体がんの発生率は非常に低いものの、日本では1990年から増加し、近年ではほぼ2倍になっています。子宮体がんの原因としてはエストロゲン作用が重要であり、早い初経、遅い閉経、未産婦などの条件がリスク要因と考えられています。一方、大豆食品に多量に含まれているイソフラボンは化学構造がエストロゲンと似ており、子宮体がんの発生には予防的であるという仮説があります。しかしながら、イソフラボンの豊富な大豆食品の摂取と子宮体がんの関連を調べたこれまでの疫学研究の結果は一致していません。さらに、大豆食品をよく食する集団での前向き研究はありませんでした。そこで、多目的コホート研究において大豆食品およびイソフラボンの摂取と子宮体がんとの関連について検討しました。 大豆食品の総摂取量は、アンケートに含まれている豆腐、納豆、みそなどの8項目から算出しました。1日当たりの大豆食品またはイソフラボン(ゲニステイン)摂取量によって、対象者集団を3つのグループに分けました。平均12年の追跡期間中に、対象者集団のうち112人が子宮体がんと診断されました。大豆食品とイソフラボン摂取量の最も少ないグループに比べ、その他のグループで子宮体がんのリスクが何倍になるかを調べました。 その結果、大豆食品またはイソフラボン摂取と子宮体がんとの間に関連は見られませんでした。大豆食品とイソフラボン摂取量の最低グループに比べ、最高グループでのハザード比がそれぞれ1.11と1.06でありどちらとも統計学的に有意ではありませんでした。 今回の研究からは、比較的食品からのイソフラボン摂取量が多い日本人集団において、大豆食品およびイソフラボン摂取が子宮体がんの予防に大きな影響を与えているとはいえないという結果となりました。イソフラボンと子宮体がんの関連を調査した過去の疫学研究も少なく、結果も一致していませんので、今後さらに大規模な研究により、この関連について検討を重ねる必要があると考えられます。

 大豆食品およびイソフラボンの摂取と子宮体がんリスクとの関連

 

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