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多目的コホート研究(JPHC Study)

2008/5/30 飲酒と肺がんリスク

JPHC研究からの論文発表のお知らせ

多目的コホート(JPHC)研究から、飲酒習慣と肺がんリスクとの関連を調べた結果が発表されました。 論文の状況は以下の通りです。   Cancer Causes Control 2008 5月WEB先行公開

飲酒と肺がん、非喫煙者では関連なし

これまでに行われた飲酒と肺がんの疫学研究の結果は、ほとんどが欧米からの報告です。大量飲酒者が比較的少ないことや、大量飲酒者のほとんどが喫煙者なので喫煙の影響を取り除くのが難しいこともあり、お酒を大量に飲む人で肺がんリスクが高いかどうかは、はっきりしていません。 多目的コホート研究で、40—69歳の男性約4万6000人を対象に、調査開始時に実施した生活習慣に関するアンケートで、飲酒や喫煙の状況を調べました。約14 年かけて肺がんの発生を追跡調査し、そのリスクを、飲酒習慣で分けた6つのグループの間で比較しました。 追跡期間中に651人の肺がんが確認されました。 喫煙者と非喫煙者に分けて、喫煙本数や期間、受動喫煙の状況などが結果にできるだけ影響しないように配慮して関連を検討しました。すると、喫煙者では、飲酒量が多いグループほど肺がんの発生率が高い傾向が見られました。最も多いグループ(1日当たり日本酒換算で3合以上)では、時々飲むグループの1.7倍でした。一方、非喫煙者では、その様な関連は見られませんでした。 以上の結果から、飲酒の肺がんの発生への影響は、喫煙によって助長される可能性があることがわかります。

研究結果について

この研究からは、非喫煙者では飲酒による肺がんリスクの増加はみられませんでした。しかし、同じコホート研究から、1日平均2合以上の大量飲酒習慣により、死亡や大腸がん、2型糖尿病のリスクが高くなるという結果があります。生活習慣病の総合的な予防を考えると、やはり1日当たり日本酒にして1合、ビールなら大瓶1本、ワインならグラス2杯程度に留めた方が良いでしょう。飲まない人が無理に飲む必要はまったくありません。 詳しくは、ホームページに掲載された概要版をご覧ください。
飲酒と肺がんの発生率との関係について -概要-

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