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多目的コホート研究(JPHC Study)

2008/8/12 教育歴・社会的役割と循環器系疾患

JPHC研究からの論文発表のお知らせ

多目的コホート(JPHC)研究から、教育歴と社会的役割と循環器系疾患リスクとの関連を調べた結果が発表されました。 論文の状況は以下の通りです。    Stroke2008年8月WEB先行公開

日本人女性における教育歴、社会的役割と循環器系疾患リスクの関係

欧米の研究では、教育歴が低い人は、高い人と比べて、虚血性心疾患や脳卒中の発症リスクが高いことが報告されています。喫煙、大量飲酒、ストレスなど、リスク要因の保有率の高さや、医療機関等の利用率の低さを反映していると考えられています。 日本人は欧米人にとはパターンが違うことも考えられますが、これまで限られた調査結果しか得られていませんでした。 今回、多目的コホート研究で、女性の教育歴と虚血性心疾患・脳卒中の発症リスクを検討しました。また、女性の就労の有無によって、その関連がどのように変わるかを調べました。 40〜59歳の女性約2万人を対象に、最終学歴や就業状況、同居人などについての質問を含む生活習慣アンケートを行いました。 平均で約12年の追跡期間中、虚血性心疾患56人、脳卒中451人の発症が確認されました。 まず、教育歴による3つのグループ間でそれぞれの発症のリスクを比較しました。高校卒業グループと比べ、中学卒業のグループの脳卒中発症リスクは約1.6 倍、短大・専門学校・大学以上の高学歴グループは約1.4倍といずれも高いという結果でした。病型別では、くも膜下出血や脳梗塞において比較的強い関連がみられました。一方、虚血性心疾患の発症については、教育歴との関連は見られませんでした。 次に働いている女性と働いていない女性に分けて全脳卒中発症のリスクを見ると、低学歴グループに加えて高学歴グループでもリスクが高いという関連は、働いている女性でよりはっきりと示されました。また、働いている女性において、高学歴で家庭における社会的役割が1つのグループで全脳卒中発症のリスクが高いことが示されました。 中学卒業のグループは身体活動量が少なく、肥満や高血圧が多いという特徴があったため、そのような点に配慮した生活習慣改善の必要性が示唆されました。また、欧米での結果と異なり、本研究では働いている高学歴女性のグループにおいても全脳卒中発症リスクが高い傾向が示されました。働いている女性で高学歴のグループでは、心理的なストレスを認識している人の割合が高かったことが、要因の一つである可能性があります。また、働いている高学歴女性の脳卒中発症リスクは家庭における役割が多いことで軽減される可能性が考えられました。

研究結果について

今後、この様な関連が他の研究でも示されるかどうかの確認と、なぜそうなるのかというメカニズムの検討が重要と考えられます。 詳しくは、ホームページに掲載された概要版をご覧ください。
教育歴、社会的役割と循環器疾患発症リスクとの関連  —概要—

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