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多目的コホート研究(JPHC Study)

2008/8/14 野菜・果物摂取と食道がんについて

JPHC研究からの論文発表のお知らせ

多目的コホート(JPHC)研究から、野菜・果物摂取と食道がんに関する研究成果が発表されました。野菜と果物の食道がん予防効果は、いくつかの疫学研究で示されているものの、これまでにコホート研究からの結果は一報しかなく、エビデンスは限られています。 論文の状況は以下の通りです。    International Journal of Cancer 2008年8月WEB先行公開

野菜プラス果物で、男性の食道がん予防の可能性

JPHC研究参加者のうち、45歳から74歳の男性約3万9000人を対象に、研究開始から5年後に行った食習慣についての詳しいアンケート調査の結果から、野菜・果物の1日あたりの摂取量を算出して、その合計とそれぞれの摂取量について3つにグループ分けを行いました。 食道がんのうち日本人に多い扁平上皮がん(以後、食道がん)の発生について、平均で約8年の追跡調査を行いました。その間に116人が食道がんになりました。 年齢や居住地域、喫煙、飲酒の影響を取り除いて関連を分析したところ、野菜と果物の合計摂取量が最少のグループに比べ、最高のグループでは食道がんリスクが約半分に低くなりました。全体で低下の傾向を見ると、摂取量が1日当たり100グラム増加するごとに、食道がんのリスクが約10%ずつ低下していました。 種類別には、キャベツ・大根・小松菜などが含まれる十字花科の野菜で、統計学的に有意な関連がみられました。 次に、喫煙習慣・1日当たり日本酒にして2合以上の飲酒習慣の有無の組合せで4つのグループに分けて調べたところ、両方有りのハイリスクグループで、野菜と果物の合計摂取量が高いことによる食道がんのリスク減少効果が最も大きいことがわかりました(1日当たり100gの摂取量増加でリスクが約20%減)。

研究結果について

今回の研究でも、野菜と果物の食道がんに対する予防効果が見られました。この関連は、食道がんのリスク要因である喫煙と大量飲酒習慣があっても見られましたが、その効果は禁煙や節酒による予防効果には及びません。 野菜と果物、特に十字架科野菜の食道がん予防効果の確認には、今後さらに多くの研究での検討が必要です。 詳しくは、ホームページに掲載された概要版をご覧ください。
野菜・果物摂取と扁平上皮細胞由来食道がんとの関連について  —概要—

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