多目的コホート研究(JPHC Study)
2011/11/28 赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて
JPHC研究からの論文発表のお知らせ
多目的コホート(JPHC)研究から、赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクを 検討した研究の結果が発表されました。 この論文の状況と担当者は以下のとおりです。
Asia Pac J Clin Nutr(2011年20巻603‐612ページ)
男性の肉類全体の摂取量・女性の赤肉の摂取量が多いグループで結腸がんリスクが高く
国際的には、赤肉(獣肉:牛・豚・羊など)・加工肉(ハム・ソーセージ)摂 取は大腸がんに対して「確実なリスク」とされています。もともと肉類の摂取量 が欧米より少ない日本でも同様にリスクであるのかは、まだよくわかっていませ ん。そこで、多目的コホート研究で、45~74才のがんや循環器疾患の既往のない 約8万人の方を、2006年まで追跡した調査結果にもとづいて、肉類の摂取量と大 腸がんの発生率との関連を調べました。 追跡期間中に1,145例の大腸がん(結腸がん788人、直腸がん357人)の発生が 確認されました。肉類全体及び赤肉・加工肉摂取量で5分位に分け、結腸・直腸が んのリスクを比較しました。 その結果、肉類全体の摂取量が多いグループ(約100g/日以上の群)で男性の 結腸がんリスクが高くなり、赤肉の摂取量が多いグループ(約80g/日以上)で女 性の結腸がんのリスクが高くなりました。一方、加工肉摂取による結腸・直腸が んのリスク上昇は、男女とも見られませんでした。 日本人の食生活でも、肉類を極端に多く食べるような習慣は大腸がんリスクに なる可能性があり、今後も注意深く検討を重ねる必要がありそうです。
詳しくは、ホームページに掲載された概要版をご覧ください。