多目的コホート研究(JPHC Study)
2012/5/25 野菜・果物摂取と糖尿病との関連について
JPHC研究からの論文発表のお知らせ
多目的コホート(JPHC)研究から、野菜・果物摂取と糖尿病との関連を検討した研究の結果が発表されました。
この論文の状況と担当者は以下のとおりです。
British Journal of Nutrition WEB先行公開
野菜・果物全体としては、糖尿病発症との関連なし
野菜や果物に豊富に含まれるビタミンCやカロテノイドなどの抗酸化物質やマグネシウムの摂取により、糖尿病のリスクが低くなることが欧米の研究で報告されています。しかし、日本を含むアジアで行なった研究は少なく、欧米の研究では野菜および果物の摂取の糖尿病リスクに対する一致した結果は得られていません。そこで、多目的コホートの男女約5万名を5年間追跡した調査結果をもとに、野菜と果物の摂取と糖尿病発症との関連について検討しました。
追跡期間中に、男性530人、女性366人の糖尿病発症を確認しました。
分析の結果、男女ともに野菜・果物の摂取と糖尿病リスクには明確な関連はみられませんでした。このことは最近報告されたメタ解析(多くの研究を統合した解析)の結果とも一致しており、野菜・果物全体としては糖尿病リスクとの関連はないことが示唆されます。
次に、野菜の種類(緑黄色野菜、緑の葉野菜、アブラナ科野菜)で分けて分析したところ、緑の葉野菜(男女)およびアブラナ科の野菜(男性)の摂取が多いグループで糖尿病発症のリスクが低くなっているようでしたが、統計学的に有意ではありませんでした。
今後の疫学研究には、野菜や果物の種類ごとに糖尿病リスクとの関連をより明らかにすることが期待されます。
詳しくは、ホームページに掲載された概要版をご覧ください。