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現在までの成果

たばこと肺がんとの関係について

私たちは、いろいろな生活習慣と、がん・脳卒中・心筋梗塞などの病気との関係を明らかにし、 日本人の生活習慣病予防に役立てるための研究を行っています。平成2年(1990年)と平成5年(1993年)に行いました アンケートにて、生活習慣について回答して頂いた、40〜69歳の男女9万人の方々を、平成11年(1999年)まで追跡した 調査結果にもとづいて、喫煙と肺がんとの関係を調べた結果を、専門誌で論文発表しましたので紹介します(International Journal of Cancer 2002年99巻245-251ページ)。従来からいわれてきた関係を、日本人について最新の情報で確認 した結果となっています。

たばこを吸わない人に比べて、たばこを吸う人は男性では4.5倍、女性では4.2倍肺がんになりやすい

図1.肺がん発生率とたばことの関係について

アンケートでは、男性の25%がたばこを吸わない、23%がやめた、52%が吸うと、また、女性の 93%が吸わない、1%がやめた、6%が吸うと回答されていました。たばこを吸わない人、やめた人、吸う人別に、その 後平均7.8年間の肺がん発生率を比べたところ、たばこを吸う人での肺がん発生率は、吸わない人に比べて、男性で は4.5倍、女性では4.2倍に高くなっていました。また、やめた人は吸わない人に比べて、男性では2.2倍、女性では 3.7倍に高くなっていました。

男性の肺がんの68%、女性の肺がんの18%はたばこが原因

これらの数字をもとに計算すると、肺がんになった人のうち、男性では68%、女性では18%がた ばこを吸っていなければ肺がんにならなくてすんだ、すなわち、たばこが原因と考えられました。たばこは、大気 汚染や職業的な曝露などに比べて、肺がんの原因として最も影響の大きな因子です。

肺がんの種類によって、たばこの影響の程度が異なる

肺がんは、その性質によって4種類のがん(扁平上皮がん、腺がん、小細胞がん、大細胞がん) に分類されます。このうち、扁平上皮がんと小細胞がんは、太い気管支に発生するがんでたばことの関連が大きく、 腺がんと大細胞がんは、肺の奥に発生するがんでたばことの関連が小さいといわれてきました。今回の結果でも、扁 平上皮がんと小細胞がんを合わせて検討すると、たばこを吸う人は吸わない人に比べて、男性では12.7倍、女性では 17.5倍このタイプのがんにかかりやすいという結果でした。一方、腺がんについては、たばこを吸う人は吸わない人 に比べて、男性では2.8倍、女性では2.0倍このタイプのがんにかかりやすいという結果でした。このように、腺がん は、扁平上皮がんや小細胞がんよりもたばこの影響の程度は小さいですが、たばこを吸わない人に比べて吸う人の方 で腺がんの発生率が高いことには変わりありませんでした。

たばこ吸う人のなかでも、吸いはじめてからの年数が長いほど、また、一日に吸う本数が多いほど、肺がんになりやすい

たばこを吸う人を、喫煙指数(吸いはじめてからの年数×一日に吸う本数)によって分けると、 たばこを吸わない人に比べて、喫煙指数が増えるほど肺がんに発生率が増加していました。喫煙指数が1200をこえる 人では、吸わない人に比べて6.4倍肺がんになりやすいという結果でした。

たばこをやめた人では、やめてからの年数が長くなるほど肺がんリスクは減少する

たばこをやめた人での肺がん発生率は、たばこをやめてから9年以内では、吸わない人に比べて 3倍でしたが、10〜19年では1.8倍、20年以上でたばこを吸わない人とほぼ同じになっていました。

是非、禁煙にチャレンジを

たばこをやめれば、何歳であっても吸い続けた場合に比べて肺がんリスクは下がります。また、 早くやめればやめるほど、大きな効果が期待できます。たばこを吸っておられる方は、是非、禁煙にチャレンジして 下さい。

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