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多目的コホート研究(JPHC Study)

2007/10/24 野菜・果物と全がん・循環器疾患

JPHC研究からの論文発表のお知らせ

多目的コホート(JPHC)研究から、野菜・果物摂取と全がん・循環器疾患との関連を調べた結果が発表されました。 論文の状況と担当研究者は以下の通りです。 American Journal of Epidemiology 10月WEB先行公開   担当:坪野吉孝・ 東北大学大学院法学研究科教授

果物で、循環器疾患のリスク減

JPHC研究参加者のうち、5年後調査時点で45—74歳の男女約8万人を対象に、野菜・果物の1日当たりの摂取量を算出しました。その後約6年の追跡期間中に3230人に何らかのがんの発生、また1386人に循環器疾患(心筋梗塞・脳卒中)の発症が確認されました。年齢や喫煙、肥満などによる影響を取り除き、野菜・果物の摂取量で4つのグループに分けてがんと循環器疾患のリスクを比べました。 その結果、果物の摂取量が多いグループほど、循環器疾患のリスクが低いという関連が見られました(最も多いグループでは、最も少ないグループより19%低減)。野菜と循環器疾患、野菜・果物とがんについては、関連が見られませんでした。

果物ではかんきつ類に循環器疾患予防効果。喫煙者では効果が弱い

果物と野菜について、かんきつ類、アブラナ科野菜、緑葉野菜、黄色野菜という種類別に検討しました。すると、かんきつ類摂取量が多いグループほど、循環器疾患のリスクが低いことがわかりました。 また、果物と循環器疾患リスクの関連を喫煙習慣の有無によって別々に調べたところ、たばこを吸わない人では果物の摂取量が多いほど循環器疾患リスクが低いという傾向がはっきりとみられましたが、たばこを吸う人では統計学的に有意な傾向は見られませんでした。

研究結果について

今回、果物、特にかんきつ類の循環器疾患予防効果が、たばこを吸わない人で示されました。野菜については関連が見られませんでしたが、今後、特にアジアでの同様の研究結果が積み重ねられる必要があります。 がん全体のリスクについては野菜・果物の効果が見られなかったという結果でしたが、胃がんなど個別の部位のがんに野菜・果物が予防的であることに変わりはありません。バランスの良い食事のためにも、やはり積極的に毎日の食事に野菜・果物を取り入れるべきでしょう。 詳しくは、概要版をご覧ください。
野菜・果物と全がん・循環器疾患罹患との関連について -概要-

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