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多目的コホート研究(JPHC Study)

2007/2/20 身体活動量と大腸がん罹患との関係

多目的コホート(JPHC)研究から、身体活動量と、その後の大腸がんの発生との関係を調べた報告が論文発表されました。 (「キャンサー・コージズ・アンド・コントロール」2007年2月14日発行)

日本人の前向き研究で、運動の大腸がん予防効果を男女別に検証

世界保健機構(WHO)による生活習慣とがんの関係の評価では、運動によって結腸がんリスクが下がるのは確実とされていますが、その根拠となったのは、主に欧米のコホート研究の結果です。 日本人のコホート研究で、運動と大腸がんの関連を検討した研究は、これまでにありませんでした。そこで、多目的コホート研究の一環として、45-74歳の男女約10万人のアンケート調査から、1日の平均的身体活動量を算出してグループ分けしました。そして男女別に、さらに部位別に、その後約4から7年間での大腸がん発生リスクをグループ間で比較しました。

男性で、身体活動量による結腸がん予防効果

身体活動量は、仕事を含めた1日の平均的身体活動時間を、筋肉労働や激しいスポーツをしている時間、座っている時間、歩いたり立ったりしている時間、睡眠時間に分けて調査しました。 男性では、身体活動量の最大群で、大腸がんリスクが30%低下しました。さらに結腸がんに限ると40%低下しました。直腸がんではリスクの低下は見られませんでした。一方、女性では、男性のような傾向はみられず、身体活動量と大腸がんリスクとの関連はありませんでした。

研究結果について

今回の研究結果について、担当研究者である井上真奈美・国立がん研究センター予防研究部室長は、次のように話しています。 「この結果によって、身体活動量を増やすことにより大腸がん、特に結腸がんリスクが低下するという傾向が、日本人でも裏づけられたことになります。女性で大腸がんリスクとの関連がなかったのは、この研究に用いられたアンケートでは、家事に関する質問が不十分で、女性の身体活動量がうまく評価できていなかったためかもしれません。」 詳しくは、概要版をご覧ください。

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