トップ >多目的コホート研究 >リサーチニュース >2015 リサーチニュース >2015/12/07 魚介類およびn-3多価不飽和脂肪酸(PUFA)と膵がんとの関連

多目的コホート研究(JPHC Study)

2015/12/07 魚介類およびn-3多価不飽和脂肪酸(PUFA)と膵がんとの関連

JPHC研究からの論文発表のお知らせ

 

多目的コホート(JPHC)研究から、魚介類およびn-3多価不飽和脂肪酸(PUFA)と膵がんとの関連を検討した研究結果が発表されました。この研究により、魚介類に多く含まれるn-3 PUFA(エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸[DHA]の総量、以下魚介類由来n-3 PUFA)、DHA摂取には膵がん罹患リスクの低下と関連がみられ、膵がん予防に寄与する可能性が示唆されました。

この論文の状況は以下の通りです。

 

 American Journal of Clinical Nutrition 2015年11月Web公開

 

魚介類およびn-3 PUFAと膵がん

 

 

膵がんは早期発見が非常に困難ながんの一つであるため、その予防方法の探索が求められます。現在のところ、たばこ、肥満、糖尿病、慢性膵炎などとの関連が報告されています。また、これまで多くの疫学研究において膵がん予防に寄与する食事要因が検討されてきましたが、まだはっきりとは分かっていません。そこで、本研究では、欧米に比べ魚の摂取量が多い日本人集団において、魚介類、n-3 PUFA摂取と膵がん罹患との関連を調べました。

 

多目的コホート研究で平成7年(1995年)と平成10年(1998年)に食事摂取頻度などに関するアンケート調査に回答していただいた45~74才の男女約8万2千人の方々を対象とし、がん罹患状況について平成22年(2010年)末まで追跡した調査結果に基づいて検討しました。

 

アンケート調査の結果から算出した魚介類摂取量(アンケートの19項目を使用)、n-3 PUFA摂取量、魚介類由来n-3 PUFA摂取量で、それぞれ対象者を4つのグループに分け、最も摂取量が少ないグループに比べ、その他のグループで膵がんのリスクが何倍になるのかを調べました。

 

追跡期間中に、449例の膵がん罹患を認めました。解析の結果、魚介類由来n-3 PUFA摂取量の最小グループに比べ最大グループで約20%膵がん罹患リスクの低下を認めましたが、統計学的に有意ではありませんでした。次に、追跡開始3年以内に膵がんと診断された方を除外して解析したところ、魚介類由来n-3 PUFA、DHAそれぞれ摂取量最小グループに比べて最大グループで約30%統計学的有意に膵がん罹患リスクの低下を認めました。

 

本研究により、魚介類由来n-3 PUFA、DHA摂取には膵がん罹患リスクの低下と関連がみられ、膵がん予防に寄与する可能性が示唆されました。膵がん発生には慢性の炎症が関与していると報告されています。また、魚介類由来n-3 PUFAは抗炎症、免疫調節作用を有すると報告されています。メカニズムの点から考えると、魚介類由来n-3 PUFAを多く摂取することにより、膵がん発生に関与する慢性炎症の影響が軽減しているのかもしれません。

 

詳しくは、ホームページに掲載された概要版をご覧ください。

 

魚介類およびn-3多価不飽和脂肪酸(PUFA)と膵がんとの関連

 

上に戻る