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多目的コホート研究(JPHC Study)

2009/1/30 喫煙・飲酒・肥満度の組み合わせとがん発生・循環器系疾患発症について

喫煙・飲酒・BMIの組み合わせでがん・循環器系疾患の発症割合がどれくらい変わるか

今回の研究では、生活習慣の中で、喫煙・飲酒・肥満度(BMI)という3つの要因に注目しました。いずれも、以前の私たちの研究において、がん、循環器系疾患、そして死亡のリスクとの関連が明らかになっている要因です。 年齢層別・性別に、各要因やその組み合わせによるグループ分けを行い、各グループの中で10年以内に何らかのがんになるか、あるいは循環器系疾患発症する人の割合(%)を求める予測モデルを検討しました。 約10年の追跡期間中に5797人が何らかのがんと診断され、また2591人に循環器系疾患の発症、2395人に死亡が確認されました。ただし、この死亡件数には、がんと診断された方、または循環器系疾患を発症した方は含まれていません。 各要因の組み合わせで、がんにも循環器系疾患にもならずに生存する人の割合が最も低くなった、いわゆる最も不健康な組み合わせは、男性では、(喫煙 40本/日以上・飲酒 300g エタノール/週以上・BMI 30以上)、逆に最も高くなった、いわゆる最も健康的な組み合わせは(喫煙なし・飲酒時々・BMI 25-27)でした。 分析の結果、50-54歳の男性で、最も不健康なグループでは、最も健康的なグループに比べ、10年間にがんになる人の割合が5.4%(3.0% → 8.4%)、循環器系疾患は6.4%(1.7% → 8.1%)高いという結果が得られました。年齢層が高くなると、グループによる差は更に大きくなりました。

がん・循環器系疾患にならずに生きられる人の割合がどれくらい変わるか

次に、10年間、がんにも循環器系疾患にもならずに生存する人の割合を予測しました。その結果、50-54歳の男性で、最も不健康なグループでは81.4%であったのに対し、最も健康的なグループでは92.9%と、11.5%高いということになりました。 さらに、平均的なリスクを持つ人が、3つのリスク要因のうち1つでも改めた場合に、 10年間がんにも循環器疾患にもならずに生存する人の割合がどれくらい高くなるかを検討したところ、禁煙した場合と飲酒量を減らした場合は高くなったのに対し、BMI30以上の肥満を23-27に落とした場合はそれほど変化が見られませんでした。 詳しくは、ホームページに掲載された概要版および詳細版をご覧ください。

喫煙・飲酒・肥満度の組み合わせとがん発生・循環器系疾患発症について —概要— 
喫煙・飲酒・肥満度の組み合わせとがん発生・循環器系疾患発症について —詳細—

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