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多目的コホート研究(JPHC Study)

2008/2/22 緑茶ポリフェノールと胃がん

JPHC研究からの論文発表のお知らせ

多目的コホート(JPHC)研究から、血中の緑茶ポリフェ ノール濃度(4種類:エピカテキン3ガレート、エピガロカテキン、エピカテキン 3ガレート、エピカテキン)と胃がんとの関連を調べた結果が発表されました。

女性ではエピカテキン3ガレート濃度が高いと胃がんリスク低い

多目的コホート研究では、女性で緑茶を1日当たり5杯以上飲む人で胃がんの リスクは3割ほど抑えられました(2004年に発表)。しかしながら、緑茶を飲む 回数や杯数を尋ねるアンケート調査では、茶葉の種類や入れ方などによる実際の カテキン摂取量の差まではわかりません。 今回は調査開始時期の保存血液を用いて緑茶ポリフェノールの代表的な4種類 のカテキンの濃度を直接測定し、追跡期間中に発生した胃がん494例と胃がんに ならなかった対照グループ494例で比較しました。 その結果、女性でエピカテキン3ガレート(ECG)の濃度が高いと胃がんリスクが 低いことがわかりました。一方、男性ではそのような関係は見られず、逆にエピ ガロカテキン(EGC)では濃度が高いグループで胃がんリスクが高いことがわかり ました。

緑茶の胃がん予防効果は禁煙が前提

男女合わせて、研究開始時の喫煙状態別に緑茶ポリフェノールと胃がんリスク の関係を調べました。すると、非喫煙者では濃度が高いグループでリスクが低い のに対し、喫煙者では逆にリスクが高いという、喫煙状態によって異なる傾向が 見られました。

研究結果について

今回の研究で、喫煙習慣によって緑茶と胃がんの関係が変わる可能性が示され ました。たばこをやめた過去喫煙者グループでは、緑茶ポリフェノール濃度が高 くても胃がんリスクが高くありませんので、緑茶による胃がん予防を考える際に は、喫煙者の場合はたばこを止めることが前提になるでしょう。 詳しくは、ホームページに掲載された概要版をご覧ください。
血中の緑茶ポリフェノールと胃がん罹患との関係について -概要-

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