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多目的コホート研究(JPHC Study)

2008/5/27 葉酸・ビタミンB-6, B-12と虚血性心疾患リスク

JPHC研究からの論文発表のお知らせ

多目的コホート(JPHC)研究から、葉酸・ビタミン B-6, B-12の摂取量と虚血性心疾患発症のリスクとの関連を調べた結果が発表されました。 論文の状況は以下の通りです。   Journal of American College of Nutrition 27巻127−136ページ

葉酸、ビタミンB-6、B-12を多くとるグループで心筋梗塞のリスクが低い

多目的コホート研究で、40—59歳の男女約4万人を対象に、1990年と1995年に実施した食事摂取頻度調査アンケートから、葉酸・ビタミンB-6, B-12などの1日当たりの摂取量を算出しました。 約11年かけて虚血性心疾患の発症を追跡調査し、そのリスクを、葉酸・ビタミンB-6, B-12摂取量で分けた5つのグループの間で比較しました。 追跡期間中に251人(男性201人、女性50人)の虚血性心疾患が確認されました。 年齢、性別、喫煙状況、体形の違いが結果にできるだけ影響しないように配慮し、総合ビタミン剤を摂取している人を除いて関連を検討しました。すると、ビタミンB-6摂取最少グループに比べ、その他のグループではリスクが3割から5割低くなりました。 症例を心筋梗塞に限ると、ビタミンB-6との関連が強まり、葉酸とビタミン B-12でも統計学的に有意な関連が見られました。摂取量が最も少ないグループに比べ、最も多いグループでは葉酸は約4割、ビタミンB6とB12は約5割低いという結果でした。

葉酸、ビタミンB-6、B-12の組合せで効果

さらに、それぞれの栄養素の摂取量を「高」「低」に分け、その組合せによる心筋梗塞リスクの差を検討しました。すると、葉酸、ビタミンB-6、B-12すべて「高」のグループに比べ、そのうち1つ以上が「低」のグループではいずれもリスクが高い傾向が見られました。特に、ビタミンB-6の摂取量が「低」の場合にリスクが高めになり、3つとも「低」のグループではリスクが最も高く、約2倍でした。

研究結果について

葉酸、ビタミンB-6、B-12をまんべんなく摂取すること、このうち特に日本人に不足しがちなビタミンB-6を含む食品を摂るように心がけることが、心筋梗塞の予防につながる可能性が示されました。 この結果は、食事からの摂取量に基づくものであり、サプリメント摂取による効果は検討していません。 詳しくは、ホームページに掲載された概要版をご覧ください。
葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12摂取と虚血性心疾患発症との関連について -概要-

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