多目的コホート研究(JPHC Study)
2011/8/4 食物繊維摂取と循環器病発症リスク
JPHC研究からの論文発表のお知らせ
多目的コホート(JPHC)研究から、食物繊維摂取と循環器病発症を検討した研究の結果が発表されました。
この論文の状況は以下のとおりです。
European Journal of Clinical Nutrition. 2011年WEB先行公開
食物繊維には循環器病予防効果があるが、喫煙で打ち消される
多目的コホート研究で、45~74歳の男女約8万7千人に対し、食事摂取頻度をたずねるアンケート調査で食物繊維の摂取量を推定し、5群に分けました。その後平均で約10年追跡調査中に、脳卒中2,553人、虚血性心疾患684人の循環器病発症を確認しました。
食物繊維の摂取量による循環器病発症リスクを検討すると、女性では多い群でリスクが下がりました(第5群で0.65倍)。食物繊維の種類別にみると、水溶性、不溶性のどちらでもその傾向が確認されました。
また、喫煙状況別に調べると、男女とも非喫煙グループでは食物繊維摂取で循環器病発症リスクの低下がみられましたが、喫煙グループではみられませんでした。日本人男性の喫煙率は高く、そのため男性では食物繊維による循環器病予防効果がみられなかったものと考えられます。
詳しくは、ホームページに掲載された概要版をご覧ください。
食物繊維摂取と循環器病発症リスクとの関係について