多目的コホート研究(JPHC Study)
2012/4/11 藻摂摂取と甲状腺がん発生との関連について
JPHC研究からの論文発表のお知らせ
多目的コホート(JPHC)研究から、海藻摂取と甲状腺がんリスクの関連を検討した研究の結果が発表されました。
この論文の状況と担当者は以下のとおりです。
European Journal of Cancer Prevention 2012年21巻254-260ページ
閉経後の女性で、海藻摂取が甲状腺がんのリスクに
日本人は、海藻からのヨウ素摂取により(日本人が摂取しているヨウ素の約8割は海藻由来)、ヨウ素不足になる心配はなく、むしろ必要量よりも多くのヨウ素を摂取していると考えられています。ヨウ素は生命維持に欠かせない重要なミネラルですが、それのとりすぎが甲状腺がん発生の原因になるという報告があります。
多目的コホートで、40~69歳の女性約5万人について、その後平成19年(2007年)まで追跡した調査結果に基づいて、海藻摂取と甲状腺がん発生との関連を調べました。
その結果、閉経後の女性で、海藻摂取が甲状腺がん(とくに乳頭がん)のリスクを上げる可能性が示されました。海藻に多く含まれているヨウ素が原因である可能性があります。
多目的コホートでは、これまでに、緑茶・コーヒー摂取と甲状腺がんのリスクについて結果を発表しました(https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/2829.html)。
甲状腺がんの予防につながるような疫学研究からの知見は、世界的にも不足しています。甲状腺がん予防に向けて、今後さらに研究成果を蓄積していかなければなりません。
詳しくは、ホームページに掲載された概要版をご覧ください。